【第3話】街中で「三度見」される男!
「広告と戦う実況者」という看板が決まったら、次はアバター作りである。
しかし、「Mirrativ」で作ったアバターではしっくりこなかった。
その時、私はゲーム会場で出会った「メルヘンチックな
女の子のお面をつけた人」を思い出した。そして
「ここはアナログでやろう!」と決め、スケッチを始めた。
猫耳とポップな目が付いた、シンプルな立方体の
ヘルメットを被った私のイメージ・・・
「これなら自作でいける」と確信した。
実は数週間前、私は再びソーシャルゲームの
オフラインイベントが開催されることを知り、応募していた。
そのため、私はこのヘルメットを被って会場に行くことを目標とした。
手始めに、身近にある材料で被り物を作ろうと考えた。
最終的に「段ボール」に目を付けた。安価に手に入る、
軽くて丈夫な素材だからだ。
当初、「アイアンマンのマスク」に憧れていた私は、鉄でできた
薄い板を採用しようと思ったのだが、金属の板が首筋を傷つける
恐れがあった。まだ健康で長生きしたいので、廃案にした。
まずはプロトタイプが完成。「自分だけのヘルメット」を
持ったことで童心が蘇り、長い足でドタドタはしゃぎまくった。
ヘルメットを被った私は家を飛び出し、夢中で写真を撮りまくった。
最初に作ったプロトタイプは、顔の部分は厚紙、それ以外は
段ボールでできており、厚紙に書いた「スコープ」型の
目の一部に穴をあけて外を見る仕様となっていた。
そのため、「超」視界が悪く、介助犬がいないと
真っすぐ歩けないような状態であった。
その後、目の部分に大きな穴をあけ、そこに100均で購入した
薄いビニールポーチを分解して作ったフィルムを張り付け、
「横断歩道で歩いても車に轢かれない」レベルまで改良を施し、
オフラインイベントに臨んだ。
結果は「大成功」と言えるだろう。街ゆく人の2/3は振り向き、女子生徒は
遠くから二度見、三度見したり笑いながらスマホで写真を撮っていた。
これは改良前の話だが、佐世保の港を歩いた際、褐色がいい男性から
「May I take a picture with you?」(一緒に写真いいですか?)
と声をかけてもらう等、思いがけない出来事もあった。
ミスニージュに海外ファンができるとは、この上ない喜びである。
どこで私がどういうネタにされているかはさておき、「猫耳の段ボール
を被った人」がこの世に存在することが周知されつつある事は確かだ。
私は、不審者案件にならない程度にこの活動を進めていこうと決めた。
月日がたち、ありがたいことに私のtwitterのフォロワーさんが
もう少しで1000人となる。これはどこかのニュース番組曰く
「有名人のレベル」らしい。
(第4話に続く)