■
【第6話】米粒の注意書きに翻弄される男!
ある日、時代劇好きな私は、大好きなお粥を
頬張りながら、撮り貯めた必殺仕事人の録画を見ていた。
冒頭の数秒間、オープニング直後、物語が急展開になる
瞬間、仕事人出撃の直前、毎度のように広告が流れる。
なるほど、やはり視聴者の年齢層に合わせて、
健康グッズや補聴器、サプリ等を売る通販番組が多い。
ところで・・・・・・・
文字がちっちぇぇええええぇえぇぇぇぇえ!!!
米粒より小さな文字を目で追いかける間もなく、
数秒で画面が次々に切り替わる。
はえええええええええええ!!!!!
こんなの高齢者読めるわけねーだろ!!!
これは何かの陰謀だ!!絶対何かの陰謀だろ!!!
という訳で、今回は視聴者を愚弄しているとしか
思えない「あの米粒の文字」について調べていきます。
《米粒文字の正体!?》
ケータイ会社、通販番組、健康商品等のCMで
よく目にする(というか読めない)米粒ほどの文字、
あれ、
「打ち消し(打消し)表示」というそうです。
全部で7種類の打消し表示が存在します。
皆も、広告を見て集めてみてね☆
なぜ打消し表示が使われるのだろうか?
ここを掘り下げていくと、実は一部の企業が
法律のグレーゾーンすれすれで
宣伝活動しているということを知った。
ふおおおおおおお!!!
これは一体どういうことなのか。
企業は、商品やサービスを宣伝する際、
「どうやったら消費者が興味を持つかなぁ~?」
と表現方法を工夫しているのだが、
その「表現方法」には色々なルールが存在するのだ。
主なルールとして、「薬機法(旧:薬事法)」や
「景品表示法」等が挙げられる。
まずは薬機法を見てみよう。
《薬機法の正式名称は?》
「医薬品、医療機器等の品質、
有効性及び安全性の確保等に関する法律」
う~ん、名前が長い…苦笑
医薬品、医療機器のみならず、化粧品、
薬用化粧品について定められた法律とのこと。
化粧品、薬用化粧品に関しては、
表現できる効能効果の範囲が薬機法で定められていて、
その範囲外の効能効果を表現することが認められていない。
そのため、化粧品等を扱う企業は
薬機法のルールに従って広報活動をしている。
また、健康食品なのに、医薬品と消費者に
誤認されるような効能効果を表示していたら、
それも薬機法違反となるそうだ。
次に、景品表示法(景表法)についてみていきたい。
《景表法の正式名称は?》
景表法では、商品・サービスの販売について
「有利誤認表示」と「優良誤認表示」の
2つが禁止されている。
《こんな所に有利誤認表示!》
「有利誤認表示」とは、読んで字のごとく、
商品・サービスの価格や販売条件について
実際より「有利である」と偽ること。
わかりやすい例を探していたら、身近な見本があった。
ガチャの確率表示に「有利誤認」があったとして
措置命令を下した、というニュースだ。
https://nlab.itmedia.co.jp/nl/articles/1801/26/news114.html
問題の表示は期間限定で実施された
「クーラ限定ガチャ」。
ガチャを1回回したときのクーラの出現確率が
「3%」であるかのように表示されていたが、
実際の出現率は「0.333%」・・・
約10倍違うじゃねーか!!
ココでのポイントは、
「サービス内容が、実際よりもユーザーにとって
優れたものであると彼らに誤認させるような表示だった」
ということ。
なるほど。
欲しいキャラが手に入りやすい!
ユーザーにとって有利だ!
と思ったら、
「全然出ねーじゃねーか!」となったわけだ(笑)
次いってみよう!
《あのゲームに優良誤認表示!?》
「優良誤認表示」とは、
商品・サービスの品質や規格について実際より
「優れている」と偽ること。
これも、身近な見本があった。
として、ガンホーに課徴金5020万円の支払いを命じた。
https://www.itmedia.co.jp/news/articles/1803/28/news112.html
私もパズドラを遊んだことがあったので驚いている。
これは一体どういうことなのか。
2017年2月に実施したパズドラのゲーム内のイベントで、
入手できる13体のモンスター全てが、通常の「進化」
とは異なる「究極進化」の対象であるかのように
ライブ番組で紹介されたらしい。
ところが、実際に究極進化の対象だったのは
2体だけだった。
これが「有利誤認」と判断されたわけだ。
うん。それはマズイね。
《2つの誤認表示の違い?》
【有利誤認表示の場合】
KOFの例と比べると「ガチャ」の点では似たような
感じだが、KOFの場合はガチャの「確率」が
触れられていた。
「今なら倍率が高いですよ」と課金を促すような
部分だろうか。
「大丈夫!今なら勝てる!」と運を信じる
カイジを思わせる。
【優良誤認表示の場合】
一方、パズドラの場合はガチャの
「サービス内容」が触れられていた。
実際の内容は「究極進化2体」なのに「究極進化13体」
とドえらく盛られた内容が「優良誤認」の対象、
という私の認識である。
無いものを「ある」と言う感じ。
ワンピースで言うところの
「うそつきノーランド」である。
「広告の表現で留意すべきルール」の画像を見ても
わかるように、薬機法よりも景品表示法の
ペナルティが大きすぎる!!!
「薬事法ドットコム」では、健康食品や化粧品に
関するどのような表現が薬機法(旧:薬事法)
に違反するかが具体的に紹介されている。
https://www.yakujihou.com/content/4-C.html#gsc.tab=0
なんかTVで聞いたかもしれない、
「お肌やおなかの調子はどうですか」や、
「こじわの気になる部分に」
等も記載されていて、あれもダメなの!?と驚いた。
(※条件によるだろうが)←打消し表現の活用
《景表法に触れるケース?》
機能性表示食品などの広告で、機能性を明らかに
超える効能効果を打ち出した時には、「景表法」
の方に違反するらしい。
他にも未承認の医薬品や医療機器の販売で怪しい
表現があれば、「景表法」の対象になるとのこと。
ふむふむ。
《米粒文字の話に戻ろう!》
広告表現にこれだけのルールがあることがわかったら、
なぜ「米粒文字」が横行しているか、なんとなく
わかってきたと思う。
広告の目的は「企業の商品・サービスを広く
消費者に認知させる」ことである。
いかに消費者の注意を集めるかがポイントに
なるわけだが、表現の仕方にもルールがある。
だから一部の企業は、この「打消し表現」を
必要以上に用いることで逃げ道を作り、
消費者トラブルに対する予防線を張っている。
これが私の認識である。
【ミスニージュの脳内劇場】
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
消費者
「この健康食品を使ったらドバドバ出るって聞いて
買ったのにドバドバ出ないじゃないか!」
企業
「いや、だって“個人差がある”って
書いてるじゃないですか」
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
私の脳内イメージはこんな感じである。
なるほど。
その結果、米粒みたいな文字がびっしり
画面の隅っこを占拠しているのだろうか。
効果を伝えたいけど言えない「NGワード」があるから、
効果を匂わせるダークな知恵が働くんだろうか。
消費者が「書いてることと違う!」と言えば、
その広告表現はOUTになる。
だから企業は先回りして予防線を張っておく。
まさにイタチごっこである。
アプリゲームの利用規約も、情報量が多くて
読む気が失せるが、上記と似たような理由だろうか。
《打消し表示のヤバイ話》
「じゃあ打消し表示は許されるのか」
ということになるが、許されるケースと
そうでないケースがある。
実際、消費者庁は「消費者に目立たなく打消し
表示をすることは違法である」としている。
そりゃそうだ。
小さくすればなんでも良いという訳ではない。
消費者庁さん、結構色んな検証やってます。
《ビックリな調査結果!》
ある検証では、15人の対象者に「2種類の打消し表示」
が含まれる広告を見せた。
するとなんということでしょう。
一つの打ち消し表示に気づいたのが4人、もう一つの
表示についてはたった2人というではありませんか。
(2018年6月8日NHK暮らし解説より)
同じく消費者庁が、打消し広告の実態調査を
してるんですが、これがまた傑作。
https://www.caa.go.jp/policies/policy/representation/fair_labeling/pdf/fair_labeling_170907_0003.pdf
いや~文字が小っちゃくて、しかも2秒以内で
画面が切り替わるってことは。
もう「読むな」ってことですかね~(笑)
「下までスクロールしないと見落とす表示」というのは、
PC・スマホ特有の問題ですね!
こういった問題を受けて、消費者庁も
色々ルール決めをして、
スマホ特有の「商品表示の長い文があって、
下までスクロールしないと打消し表示に
気づかない」も違法になってるんですね。
《色んなルール決め!》
また、公正取引委員会が「見にくい表示に関する
実態調査について」っていうのを発表していて、
「やむを得ず打消し表示が必要で、消費者が
手に取ってみるものの場合、表示スペースが
小さい場合でも
《最低8ポイント以上》の文字にすること」
と、条件付きで打消し表示を許可してるんですね。
企業側も、これらのルールを学びながら、自主規制や
チェック体制の強化に取り組んでいるようですね。
少しスマホの消費者トラブルについて
深堀してみますZOI☆
《ドえらい買い物トラブル!》
打消し表示に関する実態調査報告書」を発表しており、
調査対象1000人の内「55.1%」が過去一年間に
スマホで商品・サービスの購入・申し込みを経験。
その内の「39.2%」が「打消し表示」を
見落としていた事により誤認して購入・申し込みを
したことがあると回答。
1000人中、約214人か…
約5人に1人がスマホで買い物する際、打消し表示を
見落として買っちゃった!!!どうしよう!!
っていう訳ですな。
私も、情報量が非常に多いようなショッピングサイト
(楽〇市場)などを利用していますが、
情報が多すぎて頭がパンクしてしまいます苦笑
情報の渦に打消し表示が紛れてたら、
「ウォーリーを探せ」を
やってるようなもんですわ!!!笑
《問題の表示パターン!》
で、問題はその表示パターン。例えば…
①打消し表示がアコーディオンパネルの中にあり、
タップしないと見られないもの
(四角いテキストボックスに「+」マークがあって、タップしたら全文表示されるアレや!)
②申し込みボタンをタップすると、打消し表示を
通り過ぎて注文フォームまでジャンプするもの
(この表現を見た時にいくつかイメージが沸いたが、多分こっちだろうと思って画像に表してみた)
③打消し表示の文字が小さく、気づきにくい場所のもの
(二本指でズームせんとわからんやつや!!!)
などなど…
《今回のまとめ!》
いかがだっただろうか。
お粥を食べながら見ていた時代劇のCMで激怒してから、
随分色んな事を知ることができた。
あ。
もし打消し表示に気づかずに買ったら
消費者庁ホットライン「188」に電話です!
こんなん「嫌や!」で覚えましょう♪
※あくまで個人の見解です
https://www.caa.go.jp/policies/policy/local_cooperation/local_consumer_administration/hotline/
参考:
・Spiceworks Blog(2014.11.10)
https://www.spiceworks.co.jp/blog/?p=5177
・Dr. Tairaのブログ(2018.06.08)
https://rplroseus.hatenablog.com/entry/16332817
・マイナビニュース(2017.07.20)
https://news.mynavi.jp/article/20170720-caa/
https://www.caa.go.jp/policies/policy/representation/fair_labeling/index.html#other
・「国民生活」(2020.7)
http://www.kokusen.go.jp/wko/pdf/wko-202007_16.pdf
・カミアプ(2018.05.18)
・デイジー・デジタル・デザイン
https://www.daisy-web.com/weblog/3077
・ECのミカタ(2019.03.19)
https://ecnomikata.com/original_news/21565/
【第5話】「ピンを抜くゲーム」に呪われる男!
うごわっはあああああん!!!
私は今、「この世で最も見慣れた広告」であり、
「最も忌み嫌う広告」に呪われている。それは・・・
「ピンと抜くゲーム」だ!!!
「ピンを抜くゲーム」とは
ウザいほど出てくるゲーム広告。具体的には「画面上の金色のピンを
適切な順番で抜くことで、ゲーム内の主人公を救う」という内容。
15~30秒ほど実演動画が流れるのだが、最後にわざと失敗するのだ!!
恐らくその広告を見ているユーザーに「ああ!なんとじれったいのだ!
もう見ていられない!私にやらせてくれ!」と思わせようと
しているのだろうが、私はそうはならんぞ!!!
しかもこの広告、かなりのバリエーションがあるのだ。
ディ〇ニー映画『ファインデ〇ング・〇モ』の主人公に
そっくりな魚が出てくる海のステージだったり、竜や
ゴブリンと戦う戦士が出てきたり・・・
内容が違うのかと思いきや、なんとゲームのステージ構成、
トラップ、結末、全部同じ!それぞれ違うゲームの広告なのに!!
同じ広告手法を使っていて、思わず作り手の
クリエイティビティを疑ってしまうほどである。
この時点では、まだ私も許容できる。
私は相手の立場に立って物事を判断できる、
器の大きいゲーム実況者なのだ。(自己暗示)
どんなゲームなのか、早速インストールしてみようではないか。
遊んでみると、案外やりこみ要素のあるゲームかもしれな・・・
別ゲーじゃねーか!!!!!!
※ピンを抜くゲームは、高レベルに到達することで解放される「ミニゲーム」として一応実装されているが、いやだったらそれメインにしようよ!?あるいは本編の方のCM作ろうよ!?
☆他の広告のバリエーションについてはこちらの方の動画から
驚きの背景
色々調べていくうちに興味深い事実が判明した。
今年の9月30日付に、イギリスの広告基準協議会(ASA)が
これらの「ピンを抜くゲーム広告」を禁止したのである。
「ピン抜きゲーム」中身は「別ゲー」 英で広告差し止め、日本でも反響が: J-CAST ニュース【全文表示】
ASAは、日本でいうところの「JARO」
(広告審査機構)に当たる。
広告審査機構とは、平たく言うと「消費者が誤解したり被害を
被らないよう、嘘や紛らわしい広告を取り締まる機関」のこと。
日本の状況
ちなみに日本では・・・
まだ「ピンを抜くゲーム広告」が規制されていない。
だが、アプリのレビューを見てみると「広告に騙された」
の声が散見された。やはり広告のイメージで
インストールした人も一定数いるようだ。
ならばJAROに相談だ!
「紛らわしい広告は嫌だ!」という有志の皆さん、電話で相談するなら
「土・日・祝日を除く10:00~12:00、13:00~15:00」の間です。(笑)
https://www.jaro.or.jp/koe/index.html
広告で見たゲームがついに実現!
ここまでの話は問題提起であったが、話の着地は
救いのあるものにしたい。
ios端末の皆さん、朗報である。なんと本物の
「ピンを抜くゲーム」を遊ぶことができるのだ!!!
その名も「Hero Rescue」(ヒーローレスキュー)!
恐らく、我々のように紛らわしい広告によって
「腹立つ!」思いをした誰かが、自分の手で
「ピンを抜くゲーム」を作り上げたのだろうか。
怒りのエネルギーは「破壊」を招くが、時に
「創造」をもたらすこともできるのである。
(第6話に続く)
【第4話】広告だらけの時代に生まれた男!
う~む、私は不思議な時代に生まれたものだ。
スマホを持つことは当たり前。SNSは国民の「世論の武器」となり、
今までSNSで呟いてきた体験が、一冊の本となる。
ごく一般の高校生が、ある日突然、有名人になる。幼い子供が
おもちゃで遊ぶ動画が何億回も再生され、億万長者になる。
軽い気持ちで書き込んだ一行の投稿が企業に損害を与える。
一方で、同じ一行の投稿で救える命もある。
私がいる時代では、人々の生活に「デジタル」は切っても切り離せない
存在となった。これは諸刃の剣であり、使い道を誤れば怪我をする。
一方で、使いこなせば未知の素晴らしい舞台に行くための最高のツールとなる。
だから私は、これまで歩んできた「体験」を「コンテンツ」として
価値を持たせるため、ブログを開設した。そしてこれから
このブログでもう一つのコンテンツを作りたい。
それは「広告」をテーマにしたものだ。
日本の有名なSF作家に「筒井康隆」という方がいる。彼は
1972年の彼の作品に『にぎやかな未来』(角川文庫)がある。
私は幼少期に彼の色々な作品を読んだが、特にこの作品には衝撃を受けた。
【こんな話!】
-------------------------------------------------------------
近未来。「広告」がものすごく進歩し、町中のあらゆる所が広告で
埋め尽くされた架空の国が舞台。国家が財政難となり、国民は家で
ラジオを常時つけていなければならないという法律が定められる。
しかし、それも広告だらけの放送である。ただ、レコードを
かけている間はラジオを止めても良い。ところが、その
レコードに入っている曲の合間にも広告が入っている。
安いレコードには10秒ごとに、高くなればなるほど広告は
少なくなる。最終的に、一番高価なレコードは何かというと・・・?
「静寂でございます」
-------------------------------------------------------------
・・・そして現代はどうなっただろうか?
テレビをつければ商品のCM。ポストには折込チラシ。街を出ると、
建物の窓に宣伝ポスターが列をなす。大音量で音楽を流す宣伝カー。
スマホで調べ物をすれば、縦横無尽に現れる広告のオンパレード・・・
私たちは多くの広告に囲まれながら生活しているのである。
そしてその広告には「消費者心理」や「マーケティング手法」が
施されていて、人間の脳や、感情の動きを計算して作られている。
(背景の色、短いBGM、俳優の起用、フレーズ等)
そういった広告に大量に触れ続けていると、気が付かないうちに
脳が疲れてしまうのでは・・・と思ってしまう。
広告の目的は「サービスや商品などを広く世間に認知させる事」だが
広告の発信者が「認知してもらいたい」と思っていても、受け手が
「ウザい!」とマイナスイメージを抱いてしまえば本末転倒である。
なんだろう、この「学園コメディ漫画」にありがちな、
「残念なイケメンがヒロインに想いを伝えようと何度も
アプローチして、毎度撃沈される」展開みたいなものを感じる。
もちろん、広告全般を指して批判しているのではない。
歴史的にみると、ため息をつくような美しい広告や、
人々に思索や議論を促す革新的な広告などもあった。
例えば、あるテレビ番組で「日本の昔のCM」を目にする機会が
あったが、CGがない時代で「よく体を張ったな!」というようなCMや
セリフも文字もほとんどないのに感情に訴えかけてくるものもあった。
例えば、「街の遊撃手」というキャッチコピーや
アクロバティックな運転で有名だった
ISUZUの車「GEMINI」のCM。
コンパクトなサイズの車2台がギリギリの距離で並走したり
V字走行しながらフランスの街を華麗に走行。
また、パリの地下鉄内を爆走したり、片輪走行で階段を走ったり、
バランス感覚がバグっているとしか言いようがない。
(参考動画)
(色々調べると、これらのCMは映画『007』シリーズのスタントマン達が
運転を担当していたらしい。ふおおおおおおおおおお!!!)
総じて当時の人々は「アナログ的な表現」が非常に上手かった、
というのが個人的な感想である。
現代はどうだろう・・・
映像技術の進歩に伴い、よくも悪くも進化を遂げた気がする。
筒井康隆氏は、それらも含めて約50年前に予見していたのだろうか。
企業が学生向けに、静かに勉強に集中するための「自習室」を
提供するサービス等がある。これは現代が「静寂をお金で買う時代」
になった事を表す事例と言えるのではないだろうか。
~☆~☆~☆~☆~☆~☆~☆~☆~☆~
気が付けばこの50年で世界は変貌を遂げ、人々の生活様式や
業種などが様変わりした。そこで私は、その中で普遍的に存在する
ものの一つに「広告」がある事に気づいたのだ。
調べていくと、紀元前2500年頃、古代エジプトで発見された
化粧品の宣伝が、現存する最古の広告とのことであった。
非常に興味深いことである。
そこで私は、長い歴史を持つ「広告」というものを
「ゲーム実況者」という立場で深堀していき、
これを見ている皆さんが「あらこれ便利だわ💛」と
言うようなコンテンツとして発信していきたいと思っている。
その前にペットショップに行って猫ちゃんに癒されるとしよう。
にょほ~(*'ω'*)♪
(第5話に続く)
【第3話】街中で「三度見」される男!
「広告と戦う実況者」という看板が決まったら、次はアバター作りである。
しかし、「Mirrativ」で作ったアバターではしっくりこなかった。
その時、私はゲーム会場で出会った「メルヘンチックな
女の子のお面をつけた人」を思い出した。そして
「ここはアナログでやろう!」と決め、スケッチを始めた。
猫耳とポップな目が付いた、シンプルな立方体の
ヘルメットを被った私のイメージ・・・
「これなら自作でいける」と確信した。
実は数週間前、私は再びソーシャルゲームの
オフラインイベントが開催されることを知り、応募していた。
そのため、私はこのヘルメットを被って会場に行くことを目標とした。
手始めに、身近にある材料で被り物を作ろうと考えた。
最終的に「段ボール」に目を付けた。安価に手に入る、
軽くて丈夫な素材だからだ。
当初、「アイアンマンのマスク」に憧れていた私は、鉄でできた
薄い板を採用しようと思ったのだが、金属の板が首筋を傷つける
恐れがあった。まだ健康で長生きしたいので、廃案にした。
まずはプロトタイプが完成。「自分だけのヘルメット」を
持ったことで童心が蘇り、長い足でドタドタはしゃぎまくった。
ヘルメットを被った私は家を飛び出し、夢中で写真を撮りまくった。
最初に作ったプロトタイプは、顔の部分は厚紙、それ以外は
段ボールでできており、厚紙に書いた「スコープ」型の
目の一部に穴をあけて外を見る仕様となっていた。
そのため、「超」視界が悪く、介助犬がいないと
真っすぐ歩けないような状態であった。
その後、目の部分に大きな穴をあけ、そこに100均で購入した
薄いビニールポーチを分解して作ったフィルムを張り付け、
「横断歩道で歩いても車に轢かれない」レベルまで改良を施し、
オフラインイベントに臨んだ。
結果は「大成功」と言えるだろう。街ゆく人の2/3は振り向き、女子生徒は
遠くから二度見、三度見したり笑いながらスマホで写真を撮っていた。
これは改良前の話だが、佐世保の港を歩いた際、褐色がいい男性から
「May I take a picture with you?」(一緒に写真いいですか?)
と声をかけてもらう等、思いがけない出来事もあった。
ミスニージュに海外ファンができるとは、この上ない喜びである。
どこで私がどういうネタにされているかはさておき、「猫耳の段ボール
を被った人」がこの世に存在することが周知されつつある事は確かだ。
私は、不審者案件にならない程度にこの活動を進めていこうと決めた。
月日がたち、ありがたいことに私のtwitterのフォロワーさんが
もう少しで1000人となる。これはどこかのニュース番組曰く
「有名人のレベル」らしい。
(第4話に続く)
【第2話】広告と修道女に振り回される男!
メルヘンチックなカルチャーショックの後、2019年12月から
始まったとされるパンデミックにより「おうち時間」が増える中、
私は「ゲーム配信」に興味を持つようになる。
そして最初にゲーム実況に用いたサービスが、株式会社
「ミラティブ」が提供するゲーム配信アプリ「Mirrativ」である。
ミラティブは、かつてDeNA執行役員を務めた赤川隼一氏によって2018年2月に創業。これまでゲーム配信にはパソコンやWebカメラ等の準備がかかるといった常識が、「スマホ一台でゲーム実況が手軽に始められる」という赤川氏の発想によって覆された。
そして同年8月、「Mirrativ」は「エモモ機能」をリリースし、
「誰でもバーチャルYouTuberのように生配信ができる」を
ウリに注目を集めていった。
これは2016年12月にキズナアイ氏が初の「バーチャルYouTuber」として動画投稿を始めてから約2年後の出来事である。気が付けば、誰でも気軽に自分の「アバター」を持って表現できる時代になっていた。
私は、大学の入学式で学長が言った「仮想人格を持つ」ことの意味を、
少しずつであるが理解した気がした。
大人気バトルロワイヤルゲーム「PUBG」や無料ゲームアプリの
配信をしていく中で、私はあることに気づく。
「あれ…日常では出せていない自分を表現できている!」
これは「ジキルとハイド」のようなヤバイ方の「出せている」
ではなく(苦笑)「自分の感情を率直に言葉で表現できている」
ことに感動したのである。
これは、自分の言葉で物事を表現することが
苦手な私にとっては大きな進歩であった。
また、人と対面で話すことが苦手な私にとって、「ゲーム画面に
向かって話しかけるだけの配信スタイル」は非常に気楽であった。
そして2020年2月、私は人生の転機とも言える
「あるホラーゲーム」を実況する。「Evil nun」(悪魔の修道女)である。
①そのアプリを起動すると、洗礼として30秒ほどの広告を見せられる。
②ゲームが始まると、何の説明もなく操作キャラである少年が
古びた学校(?)に車で連れてこられ、いきなり修道女に鈍器の
ようなものでブたれる。(親父にもブたれたことないのに!)
③少年が目を覚ますと「お仕置き部屋」のような場所にいて、
ここで初めて操作が可能となる。部屋を探索すると魔導書の
ようなものや謎の杯、悪魔を召喚する本など「絶対このオバハン、
やばい人やん」というものばかり。
④脱出を図ろうとするも、どこからともなく般若の形相をした
オバハンが斧のようなものを持って現れる。おかしいな。
「イージーモード」にしているが、説明書きにあった「修道女は
難聴になり、あなたを見つけにくくなります」は絶対嘘だろ!!!
⑤修道女に追いかけられているときや、学校内に散りばめられた
脱出用アイテムを見つける一歩手前で必ずと言ってよいほど
「広告」が強制的に表示され、一定時間過ぎないと消せない。
以上の「理不尽さ」に絶句しながらも、めげずにゲーム配信を
続けていた私の配信を見てくれていた視聴者の1人が、
「これ、何のゲームですか?」と尋ねてくれた。
そして私はジョークを入れながら「広告と戦うゲームです!汗」と叫んだ。
※「Evil nun」の実況動画は下記のリンクから見ることができる。心臓の弱い方でも楽しめるように工夫してみた。実況動画は全3部作構成となっており、ツイートのリプ欄から続編に飛べるようになっている。ios/android両方で遊べるらしいので、興味のある方はイヤホンをつけてプレイしてみてはいかがだろうか。
人生初のホラゲ実況!(アプリ名:evil nun)
— 広告と戦う実況者🐱ミスニージュ (@Misnieju) 2020年2月26日
どういうわけか悪魔崇拝をしている修道女に追いかけられます😱
Misniejuが走る!叫ぶ!ぶたれる!隠れる!広告に振り回される!
※ホラゲが苦手な人でも楽しめるように編集しました☆
full versionはMirrativにて♪#ゲーム実況 #ホラー #Mirrativ #アプリ pic.twitter.com/LTRRh1UEgb
~☆~☆~☆~☆~☆~☆~☆~
月日がたち、twitter上でフォロワーさんと接する機会が
増える中、私はあるフォロワーさんの「私に一言で
自己紹介してください!」という呟きを見つけた。
「ゲーム実況者」とか「猫好き」というと、ありきたりな感じ。
何か「これが私だ」と言えるような表現はないか色々考えた末、
「広告と戦う実況者です!」と答えた。
「ミスニージュ」という仮想人格が確立された瞬間であった。
私は喜んだ。トイレにいようが風呂場にいようが
その喜びを高らかに歌った。世界が色とりどりの花で
包まれたかのような気分であった。
これが「倫理」の教科書で習う
「アイデンティティの確立」とやらだろうか。
(第3話へ続く)
【第1話】ブログ開設だけでビビる男!
「ふおおおおおおおお!!!
ブログ作っちゃったあああああ!!」
私は震える手をPCマウスから離し、思わず絶叫した。
単に私は、必要事項を入力して無料のブログを開設しただけである。
しかし私にとってはかなり負担の大きい作業であった。
事前に十数個の参考サイトを訪れ、念入りに事前準備をしていても、
「もし予測しないハプニングが起きたら?」
「説明にない画面が出てしまったら?」
とビビってしまうのである。警告画面が出れば、なおさらである。
このような経験をした人は他にもいるのではないだろうか。
そんなセンスティブでデリケートなハートを持つ私は、「ミスニージュ」という名前でtwitterでの情報発信やゲーム配信を行っている。
そんな私は、「140文字に制限された呟き」では
表現しきれないほどユニークな人生を歩んできた。
幼少期、私は重度の環境アレルギーを患い、後に「発達障害」の診断を受けた。2020年現在のように、ニュースやバラエティ番組等で「発達障害」の特集が多く取り上げられてはいない時代である。
私には「言語理解」や「短期記憶」に問題があった。
そのため、「物事を覚える」「習得する」「自分の考えや気持ちを
人に伝える等」が極度に苦手であった。
環境アレルギーで学校にも行けず、近所のお友達と公園で遊ぶなどの
「子どもらしい経験」にはなかなか恵まれなかった。
発達障害に関する情報が今のように数多く報道されていない時代。
勉強熱心でユニークな母は、息子の人生に壮大なロマンを描き、
常にポジティブで柔軟であった。
そして私に「マインドマップ」をはじめとする様々な
視覚支援ツールを用いた独自の教育を施していった。
教育によって「できること」が増えていき、
自信が付いた私は「将来こうなりたい」と色々な夢を描いた。
小学5年の時点で「引き算・掛け算」ができず、小学6年生で偏差値26だった私。それでも「“行きたい!”“やってみたい!”気持ち」を大事にしてきた。
世間から「そんなの無理だよ」と言われるような難関の中高一貫校も、
「可能性にかける」と決めて挑戦した。受話器で「不合格」の音声を
聴いたときの決意を私は忘れなかった。
中学時代は病弱特別支援学校で過ごした。そこで「肺が1/3ない」
「トゥーレット症候群(体が勝手に自傷行為をしてしまう)」
「未熟児で生まれ心臓が小さく、廊下を走ったら命とり」
といった、「今を生きていることが精一杯」な子たちと勉学を共にした。
その後、2度目の中高一貫校不合格となり、私は高校時代を通信制高校で
過ごした。入学式でヤンキー(???)の集団いじめに遭ったものの、
私は「ここに来た意味を見出す」とポジティブであった。
下は15歳から上は80代まで、人生経験も職業も異なる人々が
同じ階段を上り、授業を受けるユニークな環境で、まさに
「社会の縮図」のようなスクールライフであった。
この頃から私は誰にでも声をかけて仲良くなれる
謎のコミュニケーション能力を身に着けていた。
この時点で、私の偏差値は小学6年当時の3倍以上に上がっていた。
まるで「赤い彗星」のようである。
その後も色々あったのだが割愛し、私は現在、オンラインで学べる
大学で勉学に励んでいる。そこでは「常に最新の事例をテーマに
ディスカッションを重ね、研究する」という新鮮な勉強スタイルだ。
家の近所を走っただけですぐ息が上がるほど貧弱な私には最適な環境であった。パンデミックによって人々の生活様式が変わる前の話である。
学長は非常にユニークで柔軟な思考を持つ人で、入学式の場では
「これからの時代はオンラインとオフラインの舞台で自分を
表現することが求められる。仮想人格を持つことが大事」(趣意)
という言葉を聴いて私は衝撃を受けた。
その言葉の意味を考えながら、私は2018年に初めて
自分のtwitterアカウントを開設する。
当時は、それほど呟きのない、ただの「閲覧用アカウント」であった。名前も「ミスニージュ」ではなく、「中二病か?」と言われそうな別の名前を付けていた。
2019年、あるソーシャルゲームのオフラインイベントに参加した私は、
会場で「顔にメルヘンチックな女の子のお面をつけた人」を見て
カルチャーショックを受ける。
この出来事が、後に「ミスニージュ」誕生の大きなきっかけになることを
誰が予想しただろうか?(第2話に続く)
【ミスニージュのtwitterアカウントはこちら(*'ω'*)】